出産や育児には、思った以上にお金がかかる——。
でも、東京都内には【誰でも利用できる給付制度】がたくさんあります。
2025年4月からは「妊婦のための支援給付※1」など、国の支援も法定化され、より安心して出産・子育てができる環境が整いました。
この記事では、東京都23区に住む方向けに、「妊娠中〜出産後」に使える最新版の給付金・手当情報をまとめました。(今回は、所得制限や対象が限定的なものを除く主な給付に関する支援制度をまとめています)
「この制度知らなかった…」という声も多いので、ぜひこの機会に確認してみてください。
※1:令和4年度補正予算から始まった「出産・子育て応援交付金事業」が、2025年4月(令和7年)から法定化され、新たに「妊婦のための支援給付」として実施されます。
東京23区で利用できる子育て支援給付・手当
東京都内で子育てをしているご家庭には、大きく分けて2つのタイプの支援制度があります。
- 国や東京都が共通で実施している給付制度
- 各区市町村が独自に行っている支援制度
なかには、所得制限があったり、特定の条件に該当する方だけが対象となる制度もありますが、この記事では23区在住であれば【すべての妊娠・出産予定の家庭に共通して利用できる給付】を中心にご紹介しています。
(※令和7年3月時点の情報となります。詳細は各自治体にお問い合わせください)

- 国が推進する全国共通の子育て支援制度
- 東京都が支援する都内共通の給付・手当
- 東京都出産・子育て応援事業 ~赤ちゃんファースト~
- 018サポート
- 育児パッケージの配布 ※自治体により異なる
- バースデーサポート ※自治体により異なる
- 東京23区の各自治体が支援する独自の給付・手当
- 出産費用助成制度
- お祝い金や育児用品のプレゼント
- ブックスタート(絵本のプレゼント)
- 妊娠中の移動費支援
現在都内に住民票をおき、2025年4月(令和7年)以降に妊娠・出産された方は、上記1.2の制度が利用できます。(実施状況、申請方法や支給方法などは自治体により異なります。詳細は、該当自治体にご確認ください。)
それによりたとえば、胎児1人を妊娠された場合、次の給付は23区在住の方であれば皆さん共通で受けられます。
制度 | 支給額 |
妊婦のための支援給付 | 10万円(妊娠中) |
東京都出産・子育て応援事業 ~赤ちゃんファースト~ | 10万円相当(出産後) |
児童手当+018サポート | 2万円(毎月1万5千円+5千円分) |
※計20万円+月額2万円 ※令和7年4月以降に妊娠・出産をされた方向けの金額です。
さらに、産後に育児用品が受け取れる「育児パッケージ」や、1〜2歳前後を対象とした「バースデーサポート」、東京23区ごとの独自支援制度もあります。
このあと、上記1〜3の給付・手当について、それぞれ詳しくご紹介します!
国が推進する全国共通の給付・手当
全国共通の給付・手当については、2025年4月(令和7年)から新設された「妊婦のための支援給付」と、令和6年10月分から制度改正のあった「児童手当」が支給されます。
妊婦のための支援給付
令和7年4月(2025年)からスタートする「妊婦のための支援給付」は、すべての妊婦さんに対して、妊娠中と出産前のタイミングで経済的支援を行う制度です。
これまでの「出産・子育て応援交付金」が法定化されたもので、支給のタイミングや対象範囲がより明確になりました。
支給対象
日本国内に住所を有する、妊娠が確認できた方(医師による診断)
概要
①妊娠届出時に5万円(妊婦1人につき)
②出産前に5万円(胎児1人につき)※双子の場合は10万円
申請時期
①妊婦給付認定申請 ・・・医師による診断で妊娠の確認が出来た時
②出産前に胎児の人数を申請 …出産予定日の8週間前の日から
※「妊婦のための支援給付」は、流産・死産等の場合も支給対象となり、その場合は流産等をしたことが医療機関等において確認された日以降に届出
新制度と旧制度の主な変更点は以下です。
主な変更点 | 新制度:妊婦のための支援給付 | 旧制度:出産・子育て応援ギフト |
支給要件 | 妊娠届出時に支援給付認定申請 | 妊娠届出後に面談を受ける |
妊娠の定義 | 医師による胎児心拍の確認 | 医師による胎児心拍の確認 または出産予定日の確認 |
流産、死産の取扱 | 給付対象に含まれる | 給付対象外 |
※令和7年3月以前に妊娠・出産された方は旧制度が適用されます。その他詳細は、住民票のある自治体にお問い合わせください。(旧制度については、令和6年の給付内容もご覧ください)
児童手当
児童手当は、0歳から高校生世代の子どもを育てている家庭に、毎月一定額が支給される制度です。令和6年(2024年)10月分から制度改正により、対象年齢の拡大や所得制限の撤廃など、より多くの家庭が利用しやすくなりました。
支給対象
日本国内に住民票があり、児童を養育している方
対象児童:0歳~18歳到達後、最初の3月31日までの子ども
概要
児童が3歳未満:15,000円(第3子以降は30,000円)
児童が3歳以上:10,000円(第3子以降は30,000円)
申請時期
・出生日の翌日から15日以内に、現住所の市区町村に申請
・転入日(転出予定日)の翌日から15日以内に転入先の市区町村へ申請
※以下参考
制度改正の内容 | 改正後 | 改正前 |
所得制限 | 撤廃(令和6年10月分から) | あり |
支給対象年齢 | 高校卒業まで(18歳) | 中学卒業まで(15歳) |
第3子以降の手当 | 月30,000円 | 月15,000円 |
支給回数 | 年6回 ※偶数月 | 年3回 |
東京都が支援する都内共通の給付・手当
東京都では、国の「妊婦のための支援給付」「児童手当」に加えて、令和7年4月1日以降に出産される方向けに「赤ちゃんファーストギフト(10万円相当)」や「018サポート(月5千円分)」など東京都独自の支援を実施しています。
東京都出産・子育て応援事業 ~赤ちゃんファースト~
支給対象
都内に住民票があり、令和7年4月1日以降に出生した子をもつ養育者
概要
10万円相当の育児用品や子育て支援サービス等を選べるギフトカードを配布
申請時期
出産後
※令和7年3月以前に出生した方は、旧出産・子育て応援ギフトが適用されます。旧制度については、過去のブログでも記載しています。その他詳細は、東京都の該当窓口にご確認ください。
018サポート
支給対象
令和6年度に都内に住民票があり(原則)、0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子供
概要
子供1人に月5千円(養育者は、子供の人数に応じて申請)
申請時期
出産後
※その他詳細は、東京都018サポート給付金コールセンターなど該当窓口にご確認ください。
育児パッケージの配布
育児パッケージの内容は1万円相当分の子育て用品等とされていますが、こちらは区により対応が異なります。タクシーの乗車や育児用品等の購入に利用できる商品券(1万円相当分)を配布している自治体が多いですが、豊島区・文京区・渋谷区などでは育児用品等を現物で配布している区もあります。
※実施状況は各自治体によりことなります。詳細は、該当自治体にご確認ください。
バースデーサポート
都内に住民票があり1歳前後又は2歳前後の子供を育てる家庭に対して、以下の金額相当のギフトを支給する取組がありますが、対象や申請時期、支給方法や内容など実施状況は該当自治体によりことなります。東京都が公表している各自治体への支援内容は以下となります。
【支援内容】家事・育児パッケージ:第1子6万円分、第2子7万円分、第3子以降8万円分
※実施状況は各自治体によりことなります。詳細は、該当自治体にご確認ください。
こちらもご自身の自治体で利用できる支援があるかチェックしてみてください。
東京23区の各自治体が支援する独自の給付・手当
ここまでに記載した支援については東京23区に在住でこれから子どもを出産予定の家庭共通で利用できる支援となりますが、他にも区独自で実施している支援制度もあります。特徴的な制度がある区を記載します。
出産費用助成制度
出産には医療保険が適用されませんが、全国共通で利用できるのが「出産育児一時金」です。
これは健康保険や国民健康保険の加入者が出産したときに支給される給付金で、令和5年4月1日以降に出産した方には、1児につき50万円または48万8千円が支給されます。一部の区では、出産費用が一時金を超えた場合に、自己負担額の一部を助成してくれる制度があります。
①足立区
出産費用の総額と出産育児一時金などの差額(保護者の負担分)に対し、子ども1人につき10万円を上限として助成
※令和6年4月以降に産まれる子どもが対象
②渋谷区
出産育児一時金に加え、加入している健康保険から付加給付が支給される場合は、その額を控除した金額を子ども1人につき10万円を上限として支給
③港区
出産にかかる分娩費及び入院費等、区で定める助成金算出上限額または、出産費用の実費額のいずれか低い額から、出産育児一時金等を差引いた金額に対し、子ども1人の出産には31万、2人の出産には29万を上限として助成
💡以下は一時金として支給される自治体💡
④千代田区
妊娠中(妊娠20週以降から)の妊婦に対して、一時金として 45,000円を支給 ※多児妊娠・出産も同額
⑤世田谷区
出産時に区内在住世帯に対して、子ども1人につき5万円を支給
お祝い金や育児用品のプレゼント
子どもの出産をした家庭に対し一時金の給付やプレゼントをしている区もあります。
①葛飾区:子ども1人につき5万円を支給
②練馬区:第3子以降の出産時、子ども1人につき10万円
③豊島区:子ども1人につき、育児支援品に引き換えられる電子クーポン5万円相当を配付
④新宿区:誕生祝い品として選べるプレゼント
⑤杉並区:地域の子育てサービスが利用できる子育て応援券3万円分(多子世帯は3万5千円分)
⑥中央区:新生児誕生祝品(区内共通買物・食事券)3万円分+追加支援2万円分を支給
※出生日に中央区に住民票がある方が対象
⑦目黒区:新生児誕生祝金として子ども1人につき2万円を支給
⑧台東区:産婦一人につき一律5万円を支給
ブックスタート(絵本のプレゼント)
その他、23区の多くが図書館やNPO法人を通して絵本のプレゼントを行う取り組みを行っております。実施有無やその内容は、自治体により異なりますので該当自治体にご確認ください。
妊娠中の移動費支援
移動費の支援を行う制度には、多胎児を妊娠された方を対象としたものが多いですが妊娠中であれば子どもの人数を問わずどなたでも利用できる移動費の援助を行う自治体もあります。
①中央区:出産支援祝品(タクシー利用券)1万円分
※多胎児妊娠の場合は2万円分
妊娠中に江戸バス無料券を配布(妊婦1人分の乗車料金が無料)
②葛飾区:マタニティパスとして交通系ICカードのチャージ額6千円分交付
③港区:港区コミュニティバス乗車券を配布(乗車1回につき、記名のある人のうち2人が無料)
各制度に関する申請方法等の詳細は該当する自治体にご確認ください。
まとめ
今回は、東京都23区に住む方が利用できる出産・子育ての給付金や手当をまとめました。妊娠・出産のタイミングや自治体によって内容は異なるため、「もしかして対象かも…」と思ったら、迷わず自治体に確認してみましょう!
✔ 知らないだけで“もらいそびれる”ことがないように
✔ 使える制度は遠慮せず使って、自分も子どもも安心できる環境に
来年度以降も制度はアップデートされていくので、ブックマークして毎年チェックしてみてくださいね。